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記事【対談インタビュー】脇秀彦×英
今だから話したいコト
__撮影を開始するにあたって
脇:初めに打ち合わせしたときも言われたし撮影の前日に会った時も言われたんですけど、 過去に英ちゃんが沈んだときがあったりとか、いろいろあったこと、そういう部分の表現はしたくないんですって。
英:確かに言いましたね。(笑) これまで自分の過去とか経験とかを武器にしてきたところがあったんですよ。
でも、もう自分の中では賞味期限が切れた感覚になっていて。
これからは、「今こういう表現ができている」っていうそのプラスのところをみんなに見て欲しいなぁって思って。
だからあまり過去の物を出したくないなって言った記憶があります。
__撮影時、印象に残っていること
英:撮影中、私の中にあるピュアな塊というか・・・ただ無邪気な想いの塊が私の内側にあって、そこにスポットライトを当ててくれた気がしていて。
撮られて苦しいっていう感覚はなくて、 「撮られて嬉しい」っていう喜びみたいなのがあったんです。
ちょっと変な気持ちかもしれないですけど。
その日すごい寒空だったんですけど、でもなんか心は温まる感じ。
脇:英ちゃんはとてもパワフルで自由で、一緒に撮影しながら「遊んだ」感覚がありましたね。
英:私は結構、一点集中で周りが見えなくなりがちなんですけど、脇さんのおかげで世界が広がったっていう感覚はありますね。
__デジタルアートについて
英:実はすごく苦戦したんですよ。
脇さんの写真の良さを崩しちゃうって思っちゃって。
あのすごい素敵な光を絵でつぶしちゃうって焦ってしまって、描けなくなってしまった。
で、どうしようって思ってた時に、前に人からもらった言葉を思い出したんです。
脇:どんな言葉?
英:「英ちゃんはバカっぽいところがいい」って。(笑)
「それがみんなを元気させるのだから、自己中でいいんじゃない?」って。
臆病になって自分で自分のことを止めてるんだって気付いて、 私がこう描きたいから、描いたんだ!っていうことを大切にしようって思い直しました。
脇さんの「自由に描いていいよ」っていう言葉を素直に受け取ろうって。
それは生き方にも通ずることなんです。
いろんなことに気づかせてもらいました。
__「私を見つけて」の物語
脇:撮影のために自作の物語を作ったんですよ。 英ちゃんと僕でしか共有していない物語なんですけどそれがイカの話だったんです。(笑)
英:(爆笑)
脇:イカの一生みたいな話で。 英ちゃんはアーティストだし、ワケの分からないイカの話でも何となく理解できるだろうなと思って、イカの物語を投げてみてね。
英:ちゃんと理解できましたし、その物語を演じました。
脇:現場にいた人たちは全く理解できなかったと思うけどね。(笑)
__「私を見つけて」というタイトルについて
脇:タイトルは僕が決めました。イカのストーリーの先へ行ったら、何かふっとハマるなって。
英:それは私も感じた。なんか...「これ私だ」って。
脇:もしかしたら英ちゃんの深層の部分にある、メッセージみたいなのを受け取ったような感じかもしれないですね。
英:私の体が宇宙全体だと仮定して、その宇宙の中にいるいろいろな自分が、細胞の中をどんどん探検していって、逆に自分が自分を見つけるっていうことだったのなのかなって。
脇:そんなふうに思ってくれていたなんてすごく嬉しい。 そうなんです。「英ちゃん、ぶちまけろ!」っていう思いでした。
__撮影後に変化したこと
英:それで言うと、私は自分がしたいこと、楽しいと思うこと、ときめくことに対してもっと素直になっていいんだなって。
というか”ときめき”っていうのをもっと感じやすくなりました。
脇:僕はパワーをすごくもらった。 自分が年を取っていくに従って、忘れてしまうことっていっぱいあるじゃないですか。
英ちゃんと一緒に撮影して、そんな忘れていた自分に戻れたっていうか。 一緒にバカやれるじゃないけど。あ、ごめんなさいね。(笑)
英:分かります!(笑)
脇:年齢差ありますけど、英ちゃんの世界面白いなぁって。
英:あと撮影を終えてすごく感じるのは 脇さんと出会う前よりも、自分のこと好きになったかもしれないです。
自分に自信が持てるようになったのは確実ですね。
脇:おぉ。
英:それは撮影中に、自分をどんどん受け入れていったからなんだと思います。 それは脇さんとの撮影だからこそ得られたものなんじゃないかなって。
言葉にするのは難しいのですが、何ものにも変え難いものを撮影中にもらえたんです。
__これからの目標など
脇:基本的にはレールから外れていく。 僕の世代とかは、人生にレールを感じているところがあって。
だから、いかにそこから外れて、楽しく生きていくか。 そして自分が楽しいかどうか、そこからズレない生き方をしたい。
それは写真に対してもです。
英:私はときめきですね。ハートドリブンするか。
「楽しい」を選択せず生きていくこともできるんです。 我慢できちゃうし、我慢しちゃうし。
脇:もしくはその対価として何も付いてこないとかね。
英:そう!でも対価のない楽しいことって山ほどあるじゃないですか。 私は自分の心が動くことを選択していきたいです。
脇:その部分はお互いに共鳴した部分なのかもしれないね。
英:本当ですね。 この写真集制作の過程で、自分の核となる部分をより明確に感じることができました。
ぜひ、たくさんの方に見てもらって、楽しんでいただきたいです。
脇:写真集から感じる物語をぜひ楽しんでいただきたいです!
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